50代転職希望者が犯しがちな2つの致命的な勘違いとは?

公開日: : 最終更新日:2014/10/23 50代の転職講座


人材会社に勤務していると、ざまざまな世代の方の転職のお世話をさせて頂く事になります。

筆者が人材会社に在籍していたのが自分が30代後半の頃のことでしたので、一番得意としていた世代はやはり同世代の30代の方か、それよりちょっと上の40代前半の転職のお世話をさせて頂く事でした。

私は企業担当という、普通の会社でいう営業のような業務を担当し、多くの企業の人事担当者を回って「人材でお困りのことはありませんか?」「こんな人材のストックがあるのですが、御社でいかがでしょうか?」などとヒヤリングをしたり提案をしたりする業務を主に担当していたのですが、時には人材登録の面談、いわゆるキャリアコンサルタント(キャリアアドバイザーとも言います)という業務も担当させてもらっていました。

通常の人材会社の社員というのは、企業の人事担当者を相手にする企業担当と登録に来た人材(求職者)の相談に当たる人材担当とで完全分業になるのですが、筆者が在籍していた人材会社は中小規模の人材会社でしたので、人員も少なく完全分業という風にしてもらう事はできませんでした。

ですが、おかげで企業側、人材側双方のニーズや考え方のギャップを生の現場で聞かせてもらう事ができていましたので、割とスムーズに登録人材の仕事のマッチングができていました。

ただし、スムーズなのは冒頭に申し上げた30代から40代前半の転職希望者の方の場合で、50代の転職希望者の場合には、中々スムーズにお仕事のご紹介が進まなかったという苦い思い出があります。

筆者が人材会社を退職する頃になって、ようやく50代の転職希望者の方を良質転職先に案内できる成功事例が増えてきたのですが、その「コツ」を掴むまでは本当に苦労をさせられました。

結果としては私が担当した50代の転職希望者22名のうち、転職に成功したのはわずかに8名。しかもその8名の方は、私が人材会社を辞める前の半年間に集中していたので、「あるコツ」を掴むまでは本当に苦戦をしていたという事がご理解頂けるかと思います。

筆者が苦労の末に掴んだ、50代の転職希望者の転職を成功させる為の「あるコツ」というものはどのようなものなのでしょうか?

以下にじっくりとご紹介をしていきたいと思っていますので、特に50代の転職希望者の方には参考にして頂きたいと思います。

50代の転職希望者は「キャリアと実績が全て」と勘違いしている

筆者が企業の人事担当者と面談する場合には、多くが課長クラスの人事担当者担当者たちというケースがほとんどでした。

彼らは二次面接までも担当し、中には採用決定の権限を持っている人も多くいましたが、半数は最終決定権は有さずに二次面接には同席するのみ。最終決定はその上の人事部長さんか、社長や役員さんというケースが多かったです。

筆者も人材会社在籍三年目位から、これらの最終決定権者と面談させて頂けるようになったのですが、そこで始めて企業の重役クラスの人事に対する意見というものを聞かせてもらえるようになったのでした。

私が担当する50代の転職希望者の方の転職成功率が格段にアップした時期と、彼ら重役層に面談の機会を頂けるようになった時期とが完全に一致していましたので、重役層から聞いた「転職希望者への本音」というものが、「秘伝のコツ」として非常に有効に機能してくれたのだと私は思っています。

多くの企業の重役達が口にしていた事が、小見出しに載せたような内容の事でした。

もっと詳細にお話すると、以下のような内容になります。

「50代の新戦力は欲しいよ。やっぱりベテランはあらゆる意味で頼りになるからね。ただし、みんなキャリアとかスキル、実績のPRにこだわり過ぎているよ。勘違いしてる。当然即戦力として働いてもらわないとこっちは困るんだけど、もっと心配な事があるんだよね。俺らも50代だから良くわかるんだけど、やっぱり新しい組織で先輩である自分より年下の人とうまくやっていかれるのか?っていう点ね。どうしても「俺が人生では先輩だ」という態度が出てしまうから、そうなると組織の中で浮いちゃうわけよ。その辺のバランスが取れる人物かどうかという事を二次面接では重視して見させてもらっているよ」

細かい言い回しは違いますが、大まかな意味合いとして上記の内容と同義になるような話を多くの重役層から聞かせてもらいましたので、私はここに「50代の転職希望者を勝利に導くコツがある!」という風に考えたのでした。

このような意見は、私がメインに商談をしていた課長級の人事担当者からはあまり聞けない内容でしたので、まさに目から鱗が落ちるような思いでいました。

この話を聞いてから、私は50代の転職希望者のお世話をさせて頂く時に、次のようにアドバイスをするようにしていました。

「書類選考の履歴書や職務経歴書には、実績やスキルのPRは6割位にしておきましょう。そして4割はご自身が自分より年下の人達と容易に打ち解けられる点をPRするようにして下さい。上からの目線は絶対にNGです。スキルよりも若手社員の前で偉ぶらないかどうかが見られていますので、「相手は若くても会社内では先輩」として尊敬しながら仕事ができる点をPRするようにして下さい。」

このようにアドバイスをすると、多くの50代の転職希望者の方が、「私は若い人の前で偉ぶるなんて、そんな事はしませんよ」「そういう事はPR材料にはならないでしょう」などという風に口にされていたのですが、私は妥協せずに彼らを説得し、その点をしっかりPRして、企業の重役層に安心感を与えるような書類作りをするようにアドバイスをしていました。

ですが、中々私のアドバイスを聞いて頂けずに、依然として実績やスキルのPRのみに終始してしまう50代の転職希望者の方が多かったのは残念でなりませんでした。

そのように「若造の言うことなんか」という考え方が一番企業の重役層に嫌がられるのですが、その点を制御しきれなかった私の力量の無さを悔やむばかりです。

ただし、私の話を真摯に聞いて下さり、「ああ、自分は凄い勘違いをしていました。会社の役員層になると、そのような点にまでも視線が行くようになるものなんですね。プロのアドバイスはやはり参考になります」という風に仰って下さる50代の転職希望者の方も結構いらっしゃったのもまた事実です。

そして、そのように素直にアドバイスを聞いて下さる方の採用決定率が圧倒的に高かったという点もここに記しておきたいと思います。

ご自身が「自分はこれだけの実績を作ってきた」という風に思われる事は、ご自身のプライドを維持する意味でとても重要であることは理解ができます。

ですが、「若いもんには負けませんよ」という考え方の端緒だけでも見えてしまうと、採用を考える企業側にはマイナスにしか映りません。

良い悪いではなく、「採用する側は、そこを重点的に見ている」という客観的な事実があることだけは素直に受け入れて頂ければと思います。

具体的には、職務経歴書の中に、自分の部下(もしくは年下の社員)とのコミュニケーションに関するエピソードをふんだんに盛り込むようにすると良いかと思います。

決して偉ぶらずに、悩みを相談されれば年長者として柔らかなアドバイスを行い、しかし、同じ社会人としての敬意を払いながら上手にコミュニケーションを取ってきたという実績が表現できればOKです。

このような内容を職務経歴書に折り込むと、内容自体も非常にマイルドになり、「自分の実績自慢、スキルの品評会」という人事担当者が嫌がるテイストのものになりにくくなります。

書類が突破してしまえば、あとの重役層との最終面接は「あなたの人となり」をPRするだけの場になりますので、ご自身が自分よりも年下の社員と上手くやっていける事、偉ぶらないように細心の注意を払っていく決意である事を相手に伝えれば十分です。

多少の「おじさん態度」が出てしまうのは致し方ないことは相手の企業側もわかっていますので、必要以上に猫を被る必要はありません。

「気をつけるようにしている」「おじさん態度を出さないように極力注意し努力する」という決意表明ができれば十分ですので、そこだけは注意をするようにしておいて頂ければ、転職成功率は格段にアップすると筆者は理解をしています。

ただしここにも注意!「健康体自慢」に関する勘違いも多い!

これまで触れてきたような、自分よりも年下の社員と上手くやっていける点のPRが50代の転職では最重要な事は言うまでもありませんが、もう一つ、多くの50代の転職希望者の方が犯してしまう勘違いが、健康状態に関する勘違いです。

健康状態に問題があると転職時に絶対に不利になると思い込んでおられる50代の方が本当に多いのですが、これはある意味で大きな勘違いでありますので、こちらの方にもぜひとも注意をして頂きたいと思います。

もちろん、業務に支障がでるような健康状態では困ってしまうのですが、支障が出ない範囲であるならば、面接の段階の時に少々そのことを話した方がプラスに出る事もありますので、その点だけは認識をしておいて頂きたいと思います。

これも重役クラスの人事権保有者から聞いた話なのですが、以下のような話を複数の重役層(社長さんも含む)から聞いた事があります。

「50代なら少々身体にはガタが来ているよ。それで普通だよ。俺も55歳だけど、健康に100%自信があるとは言えないね。自信がないからこそ、完璧に自分の身体をマネジメントするようにしているよ。面接に来る50代の人にも、嘘はついてほしくないね。どうせ健康診断でわかっちゃうんだから。そうじゃなくて、少々ガタは来ているが、それを完璧にマネジメントしていますという点をPRしてもらったほうが、こっちとしては安心できるよね」

この話を聞かせてもらい、ここにも50代の方が転職を成就させて行くためのヒントが多く隠されていると筆者は感じていました。

書類の段階でわざわざ身体のことまで触れる必要はありませんが、面接の段になったならば、少々の健康状態への不安は「PR材料」として公開をしてしまった方がプラスに評価されると筆者は考えています。

50代にもなれば、1つや2つの健康不安は抱えていて普通です。

なのに、「健康状態について何か見抜かれてしまっては、通る面接も通らなくなってしまう」という風に勘違いをしておられる50代の転職希望者の方が何と多いことか!

仕事に支障の出ない範囲の健康不安で、かつ健康診断などで指摘される可能性のある疾病ならば、面接の段には(役員面接の時の方がより良いかもしれません)あえて公開をしてしまう方が、プラスに作用する可能性が高いです。

ただし、大切な事はその疾病に対してのマネジメント方法を簡単明瞭に相手の面接官にわかるように説明をする事です。

面接官は一瞬表情を曇らせるかもしれませんが、キチンと体調のマネジメントができている点を説明できれば、曇った表情もすぐに晴れてくるはずです。

相手が役員面接の50代以上の重役のみなさんであれば、笑い話になって面接の座が物凄く和んだものになるかもしれません。

これはあくまでも業務に問題がでない範囲の健康不安という条件は付くのですが、入社後の健康診断で判明してしまってアレやこれやと言われるよりは、事前に相手に伝えてしまっておいた方が何倍も楽です。

ご自身の健康管理に関しても淡々粛々とマネジメント手法を述べる50代の新戦力に、企業はプラスの評価を与えるはずです。

もちろん、全く健康状態に問題がない人がわざわざ不安をPRする必要は無いのですが、もしもあなたが健康不安を原因に転職面接を恐れているような事があるならば、それは大きな勘違いですので、考え方を是正するようにして頂ければと思います。

若手の前で威張らないのもご自身の「威張りたい欲求のマネジメント能力」ですし、少々ガタが来た身体を上手に扱うのも立派なマネジメント能力のPRになります。

そのあたりを企業は50代の新戦力に求めていますので、世に蔓延る情報に左右されて勘違いだけはしないようにして頂ければと思います。

2つの勘違いを是正して、良質転職先をゲットしよう!

いかがでしたでしょうか?

このコラムを読んで頂いて、「ふん、そんなことあるかい」と思われた方もいらっしゃるかと思います。

本コラム内で記載しました通り、筆者は企業の人事担当者とも多くの商談を重ね、逆に転職希望者の方とも多くの面談を重ねてきた、人材業界ではちょっとレアな経歴を持つ人間であります。(前述しましたが、通常は企業担当、人材担当という具合に担当が完全に分かれます)

転職という極限状態の現場では、雇う側と雇われる側双方の意見をリアルタイムに聞いて、両者の思惑を上手に融合していく能力が人材会社社員には要求されます。

そのような極限の現場でもまれてきた人間のアドバイス意見ですので、「若造が何をいう」という温度ではなく、「素直に参考にさせてもらう」という温度で本コラム内の情報を消化吸収して頂ければと思います。

そのような柔軟性をお持ちになることが、良い転職先を手に入れる為の最も重要なポイントです。

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