50代で転職が決まらない人に見られる共通の傾向とは?

公開日: : 最終更新日:2014/10/23 50代の転職講座


人材会社に長い期間勤めていると、時々奇妙に思う事柄に出会うことがあります。

「スキルも経歴も申し分ないのに、どうしても書類選考を通過できない」「絶対OKと思っていたが、面接試験で番狂わせに会ってしまった」

上記のような現象が、50代の転職希望者のお世話をさせて頂いている時に結構な頻度で頻発をしていたのでした。

長く人材会社に勤めていると、「ああ、この人は大体この位の案件であれば100%通過できるな」とか「悪くても書類選考では落ちる事がない」という風に感覚でわかるようになるのですが、50代の転職希望者の方に関しては、この筆者の「勘」とでも言うべきインスピレーションが裏切られてしまうという現象が時として起こってしまっていたのでした。

もちろん、私自身の「企業との橋渡し調整スキル」が不足していた事もあるかもしれません。

ですが、かなりやり手でトップの営業成績だった同僚も、「50代だけはどうも逆転負けを食らうケースが多いんだよなあ、おかしいなあ」と首を傾げていましたので、この現象が起こってしまう理由が私のスキル不足にだけあるのではないと感じ取っていました。

そこで私はその同僚と過去のデータの分析を行う事にして、ある傾向を掴み取る事に成功したのでした。

転職が決まらない50代の傾向

その1:転職が決まらない50代は「アドバイスを聞いてくれない」

その傾向とは、見出しの通り、「転職が決まらない50代の転職希望者は、我々がするアドバイスに耳を貸してくれない」という傾向でした。

筆者と同僚は、スキルも経験も十分なのに転職の書類選考や面接に落ちまくっている50代の方何人かを対象にデータの採取を行いました。

筆者が在籍した人材会社に登録にいらした時の履歴書・職務経歴書と、会社のキャリアアドバイザーがアドバイスをした後の改訂版の履歴書・職務経歴書を見せて頂き比較してみたのですが、転職が決まらない50代の方の書類は、キャリアアドバイザーが行ったアドバイス内容が殆ど反映されないものになっていたのでした。

逆に転職が割りとすんなり決まった50代の方の提出版の書類を見せて頂くと、内容に差異はあるものの、アドバイスを真摯に受け入れてくださり、様々なアレンジをした書類を作って下さっていたのでした。(「一緒に書いてくれませんか?」という風に依頼され、一緒に全部書類づくりをした50代の方も結構おられました)

筆者と同僚は頭を抱え込んでしまいました。

「キャリアアドバイザーがアドバイスをした時には、物凄く熱心に話を聞いてくれていたのに、それを全然書類に反映してくれない。あの熱心に聞いてくれていた態度は、実は演技だったのだろうか?」

筆者と同僚はこのままでは50代の方の転職決定実績がどんどん低下していってしまい業績にも響きかねないと判断し、3名の50代転職希望者の方にヒアリング調査を依頼したのでした。

そこで聞かされた驚愕の内容とは、どんな内容だとあなたはお思いになるでしょうか?

「無料のアドバイスに中身があるわけないでしょう」という驚愕の指摘

ヒヤリングをさせて頂いた3名の転職希望者の方から、表現方法は違うものの、意味合いとしては小見出しのような内容の話を聞かされて、私も同僚も心を砕かれてしまうような感覚を覚えました。

「だって、登録も相談もアドバイスも無料でしょう。一生懸命アドバイスはしてくれてるけどさ、世の中無料でそんなに良い情報、アドバイスを提供してくれるはずがないじゃない。おたくがどうやって儲けてるのかは聞くつもりはないけどさ、俺達の年代だと無料のものにはあまり信頼感を持たないようになるんだよね」

そのように言われて、私は本当に仕事を辞めてしまおうかと思うほどの衝撃を持ったのでした。

このヒヤリングの結果を受けて、私と同僚は上司に緊急会議の招集を仰ぎ、そこで、「デキる経歴を持っている50代の登録者に向けてこそ、我々の業態、利益を上げる仕組みを先に説明すべきだ」という内容について議論を交わしたのでした。

デキる50代の方だからこそ持つ、必然的な疑い深さ

なぜこのコラム内にこのような内容の事を記載したかというと、本コラムを御覧頂いている50代の転職希望者の方に、まずは転職エージェントがどうやって利益を得ているかを知って頂く事が、良質転職先の内定を得る為の一番重要な「前提」になると考えたからです。

50代の転職希望者のうち、スキルも豊富で経験も豊かである方ほど、「疑い深い」という傾向を持っておられるかと思います。

様々な苦い経験をされ、「世の中にはウマイ話は絶対に存在しない」とDNAまでに刻み込まれてしまっているが為に、相手に利益が無いのに自分に利益をもたらす話は有り得ないと思い込んでしまうのです。

ですからこのコラムをお借りして、私達人材会社も「求職者の転職が決まってくれれば我々も大きな利益を得られるのです!だから本気でアドバイスなどをさせてもらうのです!」という事をまず最初に理解をして頂きたいと考えたのです。

人材会社(転職エージェント)というものは、自社に登録している人材を企業に送り込む事で売上を上げるシステムになっています。

登録にやってきてくれた求職者の方の就職のお世話を斡旋し(登録面接、キャリアカウンセリング、面接対策研修、そしてマッチング企業の検索と紹介など)、その登録者が晴れて内定をもらった時に、大体その人の月収の3か月分程度(もちろんここには幅があります)の紹介手数料を企業から受け取れるような仕組みになっています。

人材会社も求職者の方の内定が出ない限りは売上は一切発生しませんから、必死にキャリアカウンセリングや様々なアドバイスを行って、何とか内定を勝ち取って頂くように支援をさせて頂くわけです。

ですから、我々人材会社の側も必死です。

特に50代の方は転職が決まれば大きな売上が上がりますので、必死になって履歴書の書き方や職務経歴書の書き方のアドバイスもさせて頂くわけです。

就職先が決まってくれないと死活問題になるのは人材会社の社員も同じですので、一生懸命アドバイスをする「打算」はキッチリとあることを理解して頂きたいと思うわけです。

このような話は若い20代、30代の方にすると「なんだ、結局自分の利益の為に応援してくれてるだけなのか」という風に逆効果になってしまうのですが、酸いも甘いも嗅ぎ分けた50代の方の場合には、逆に「わたしらも支援する打算がありますねん」と先に説明をした方が、アドバイスを真摯に聞いてくださるようになるのだと考えています。

人材会社の舞台裏を晒してしまうのは、元OBとしては、なんとも心苦しくもあるのですが、「50代の転職希望者の方がお持ちの誤解」を解きほぐす為には致し方がありません。

ですが、このような舞台裏がある事をご理解頂ければ、「アドバイスを聞いているようで、実は全然聞いてくれていない」という最悪のケースは免れるのだと筆者は理解をしています。

転職が決まらない50代の方の1個めの傾向とその対応策が、これでご理解を頂けたのではないかと思っています。

その2:「その割には正直過ぎる所もある!」

ここまで、人材会社の「真剣さ」を疑ってしまう50代の方の困った傾向に関して記述をしてきました。

この「疑う」という困った傾向と並んで転職先が決まらない人に多く見られたのが、「疑り深い割に、志望企業の質問には正直に回答をし過ぎる!」という、これまた困ってしまう傾向でした。

このコラムを読んで頂き、人材会社の利益システム等がご理解頂けた50代の方であれば、恐らく今後はキャリアアドバイザー等のアドバイスにも耳を傾けて頂けるようになるかと信じていますが、とにかくそんなに疑り深かった割には、「強い相手の強い質問」には何の疑いも持たずに正直に答えてしまうという傾向があるという点は心に留めておいて頂いた方が良いかと考えています。

第一の傾向の「疑り深過ぎる」という傾向は、主に書類選考の段階、人材会社のキャリアアドバイザーなどと様々な相談をしている段階に出てくる傾向なのですが、第二の「正直過ぎる」傾向は、企業の人事担当者との面接の段になって出てきてしまう「良くない傾向」なので、もっとタチが悪いです。

キャリアもスキルも人間性もかなりのレベルにおられるのに、何故か転職先が決らないという50代の方は、面接の時などに決まって正直過ぎる回答をして「落選」の憂き目に会われてしました。

一例を挙げてわかりやすく説明をしていきましょう。

「転勤があるかも知れませんが、それは問題はありませんか?」という質問に隠された罠

見事に書類選考を突破して、いよいよ面接試験という段になると、結構この見出しのような質問が飛んでくる事があります。

50代の方になれば、ご家族もいらっしゃいますし、家も持ち家で、なかなか簡単に転勤というものには応じられない現実があるケースが多いかと思います。

年齢的にも体力的にも、50歳を過ぎてからの単身赴任は、若い頃とは比べ物にならないほど厳しいものになりますので、面接の段になって急にそのような事を切りだされても、多くの方は「いや、転勤があるとは書類には書いていなかったんで」とか「家族とも相談をしないとなんとも。」などという回答をしてしまうかと思います。

ただ、そこそこの大きさで社歴も長い企業であれば、急に面接の段になって、「もしかすると転勤があるかも知れませんよ」とは本気で聞いてきたりはしませんので、ここはまずは「引掛け質問か?」という風に疑ってみることが大切になります。

筆者は人材会社在職中は多くの企業人事担当者と公私の別け隔てなくお付き合いをさせて頂いていたのですが、何人かの人事担当者は「相手の本気度、やる気度をみるために、あえて転勤や出張が多いという事を質問してみることはあるよ」という風に話をしていました。

実際に火急の異動が必要になり、求人案内には「転職の可能性アリ」という風に記載がなされていなくても、会社の事情で転勤を命じられてしまう事はあります。

ですが、まともな会社であれば、基本的に求人案内に転勤の可能性が記載されていないのであれば、「まず転勤をさせられるという可能性は低い」という風に考えておいて良いと筆者は考えています。

社歴もマトモ、人事担当者の対応もマトモ、面接の時に見た会社の雰囲気も悪くないという三拍子が揃っているにも関わらず、このように「転勤があるかも知れませんが・・・。」と質問をしてきたのならば、それは「ひっかけ質問だ」という風に判断して対応をするようにした方が良いでしょう。

経営陣が入れ替わり、企業の経営戦略が急に変わって、会社の方向性が見えない時期とあなたの転職活動時期が一致してしまっていたならば、面接官も本気で転職の可能性があると考えてそのような質問をしてくる可能性はありますが、割合的にはそのようなケースは少ないはずです。

恐らく「カマをかけられている」「やる気、本気度を測られている」という風に判断できますので、「問題ありません!」という風に回答をしてしまえば良いでしょう。

面接官もあなたの本気度を見るためにカマをかけて質問したつもりが、最悪、入社後に本当に「誰かが異動で転勤しなければならなくなった!」という自体が生じることもあるかも知れませんが、家族もいて単身赴任は年齢的に厳しいと思われる50代のあなたに、転勤の辞令というものは会社の側も中々出しにくいというのが本当の所です。

会社側もせっかく高い買い物をしたわけですから、その高い買い物であるあなたを転勤に出して、精神的・肉体的な負担が原因でパフォーマンスの低下を招くという事態は避けたいと考えるのが自然ですね。

もちろん、例外もありますし、筆者の知る限りの範囲の事例でしかないので、「全てのケースでそうだ」という風に言い切る事はできないのですが、企業の側の事情は上に挙げた通りですので、まずは正直になり過ぎないようにする事が重要です。

「求人票にも転勤の事は全く触れられていないのに、転勤に関する可能性を問われたら、馬鹿正直に答えないで引掛けのカマかけ質問だと考える」

せっかく疑り深い50代の転職希望者の方に改めて申し上げる必要もないような気はするのですが、そのトラップに引っ掛かり、やる気に「?」を付けられてしまい、あえなく撃沈させられてしまう50代の方を何人も見てきていますので、ここにその情報を記しておきたいと思います。

人生と社会人経験を活かしてドーンと構えて転職活動をしよう!

いかがでしたでしょうか?

ご自身にもどこか思い当たるフシなどがあったのではないでしょうか?

人間、長く生きていると、どうしても疑り深くなって、全てを損得でしか判断できないようになってしまうものです。

また、同時に少々戸惑う質問を投げかけられたりした時に、すぐに冷静さを失って馬鹿正直な回答をしてしまったりもするようになってしまいます。

人材会社の社員というのは、大体が30代、良くても40代の社員が多いので(激務ですから)、なかなか50代の方と同世代の社員と面と向かうというケースには当たらないかと思います。

すると、ますます「こんな若い奴が無料で自分の為にこんなに親身になってくれるはずがない」という風に考えてしまうようになりますので、どうかこのコラムの情報を参考にして誤解のないようにして頂きたいと思います。

相手がかけてくる「カマ」に対しても、年齢的には老獪なはずなのに、なぜか「馬鹿」が付くような正直な応対をしてしまうようにもなります。

このバカ正直さも、事前に相手の手の内に関する情報をインプットしておくことで、ある程度は是正をする事ができるようになりますので、本コラム内の情報をご自身なりに噛み砕いて活かして頂ければと思います。

「どうも内定が出ない」という50代の転職希望者の方に本当に多く見られた傾向ですので、ぜひとも参考にして頂きたいと思っています。

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