40代転職面接は、加点法ではなく減点法で行われると認識せよ

公開日: : 最終更新日:2014/10/23 40代の転職講座

加点法ではなく減点法
40代の転職では、スキルPRの真っ向勝負よりも、老獪なずる賢いテクニックがより重要になるという話を前回させて頂きました。

今回はそのずる賢いテクニックに関して、少し突っ込んだお話をして行きたいと思います。

私がかつて人材会社で勤務をしていた時には、企業担当として多くの人事担当者と商談を重ねる機会を持っていました。

人事に関する評価基準というものは、いわば企業秘密と同類のものですから、なかなか外部には公開をしてくれません。社内人事であっても、評価基準に関しては人事部の上層部と経営陣にしか知らされないのが普通ですから、外部の人間である私がその基準に関して話を聞けるわけがないのは当然の事です。

しかし、そこは生身の人間同士。気心がしれてお酒でも組みかわせば、愚痴に混じって「聞いちゃって良かったのかなあ」と、こちらが躊躇してしまうような情報を教えてもらえるケースも出てきます。

公開できるものと公開できないものがあるのですが、今回は公開をしても問題がないと判断できる有益な中途採用人事判定基準の一例をご紹介していきたいと思います。

「こういう風に点数付をしている”敵”もいるんですよ!」というポイントを理解して頂き、真っ直ぐ過ぎる40代の転職希望者が、少しでもずる賢くなる為の参考情報にして頂ければ幸いです。

40代の転職希望者に対しては、加点法ではなくて減点法で点数付けされる!

これは、何社かの人事担当上層部の人間に聞いた転職希望者への点数の付け方の一例です。強烈な自己PRで加点を狙うよりも、いかに減点を減らすかに留意をしないと、40代の転職活動は敗北に終わる可能性が高くなります。

大きな会社になればなるほど、転職希望者の数は多くなりますので、採用を判定する基準の中にはアナログ要素は非常に少なくなります。フィギュアスケートの競技のように、書類や面接の内容をデジタルに点数加算して行き、一番多く点数を取った希望者が、晴れて金メダル、つまりは「転職内定」の通知を受け取れるようになります。

面接や職務経歴書の内容を分析して、実務スキル10点満点中8点、管理能力10点満点中7点、管理経験10点満点中8点・・・などという具合に、デジタルに点数が加算をされていき、総合点数で1位になった人に「内定」の勲章が送られるわけですね。

ただし、これは30代中盤位までの転職希望者に関しての話で、転職希望者が40代の場合には、少し話が変わってきます。

加点法で点数が積み上げられるのはどの年代でも同じなのですが、40代の場合はこの後が問題になります。積み上げた総合点数に対して、様々な要素を減点していき、最終的な総合点数を弾き出して合否が判定されるようになるのです。

当然、30代までの面接でも、減点要素のマイナスは行われるのですが、30代の場合は減点の基数がそれほど大きくはありません。減点要素を持っていても、企業側は「まあ、それでもまだ補正ができる年齢だから、治すべき点は入社してから補正させればいいだろう」と少し甘めの点数付をしてくれます。

しかし、40代では内面的な要素を補正することは年齢的にも難しくなるので、マイナス要素の減点基数が30代までと比して格段に大きく設定されます。

私が人材会社にいる時に、経験もスキルもずば抜けて優秀な40代の人が面接で落選するケースをよく見たのですが、そういう場合に先方の人事担当者に「何故ですか!?」と確認を取ると、大体のケースで減点要素が多かったことを説明してくれたものでした。(当然、不合格理由を言ってくれない人事担当者もたくさんいましたが)。

私は執念深い人間ですので、自分が送り込んだ人材が不合格だった場合には、「今後の参考にしたいので」と先方の人事担当者にお願いをして、合格をした人に「挨拶」という名目で話を聞きに行った経験が何度もあります。

ところが、実際に合格者に話を聞いてみる(分析してみる)と、スキルや経験では自分が送り込んだ人材の方が明らかに優れているケースの方がほとんどで、「納得がいかないなあ」という思いを何度もさせられたものでした。

これはつまりは、スキルや経験で点数を高得点を積み上げても、大幅減点があると逆転負けを喫してしまうのが40代の転職の現実だという事を物語っています。

ただし、逆の捉え方をすると、この事は、それほどスキルフルではない人でも、減点要素が少なければ、転職の面接は突破ができるチャンスがあるという事にもなります。

スキルも経験も充分だという自信満々の人は足元をすくわれない為に、そしてスキルに自信のない人は、一発逆転を狙う為に、「面接は加点よりも、いかに大幅減点されないかに留意して振る舞う」のがコツだという事を身体で覚えて頂きたいと思います。

PRし過ぎは無意味です。人事担当者は、「大幅減点できるポイントがないか」そればかりを見ているのです。

具体的にどういった部分が大きな減点要素になってしまうのか、以下で順を追って見て行くことにしましょう。

転職時の大幅減点要素

「堂々」と「偉そう」の境目が見えてない

40代の転職希望者ともなれば、管理職としての経験も豊富で、多くの部下を取りまとめるマネジメントスキルにも自信を持っている人が多くなると思います。それはそれで良いことではあるのですが、多くの部下を持つと、「弱みは決して見せまい」という強がりをしなければならなくなるケースが多くなるのも事実ですよね?

根っから度胸が座っている人ならば良いのですが、9割以上の管理職経験者が虚勢を張って弱みを見せまいとして立ち居振る舞うので、その虚勢が「偉そう」な態度となって自分の身に染み付いてしまうようになります。

企業の人事担当者は、この「堂々」と「偉そう」の境目を見抜くプロフェッショナルです。自分では「堂々」としているつもりでも、染み付いた虚勢から出てくる堂々は、面接官には「虚勢の堂々」と判定されます。

偉そうな立ち居振る舞いが端緒に見られる人は、新しい組織に入ると高い確率でトラブルを起こす。多くの人事担当者はそのように判断をします。つまりは大減点を喰らいます。

転職を決意したならば、この「自分では気付かない偉そうな感じ」をすぐに補正するように努力をしましょう。親しい同僚や家族、友人などに、自分が偉そうな立ち居振る舞いをしていないか、忌憚ない意見をくれるようにお願いをするようにするのです。

幸い、自分では気付かない偉そうな立ち居振る舞いは、周囲に指摘をしてもらう事で、短期間に補正ができるようになります。頼めるならば、自分が信用を置いている部下に指摘をしてもらうようにするのが一番効果的です。

面接当日の「よろしくお願いします」という挨拶の段階で、面接官は瞬時に新しい組織への柔軟性を判定してしまうものですから、「堂々」と「偉そう」の境目を身体で覚え込んでおくことは、大きなアドバンテージになります。

「堂々」を身に付けるのは大変ですが、「偉そう」を一個一個減らして行くことはそれほど難しい事ではありません。「自分は腰の低さでは自信がある」なんていう人が一番危険だったりするので、人生勉強だと思って周囲に協力を仰いで見ると良いでしょう。

オフィスソフトスキルの質問の真意を理解してない

面接の時には、大体「エクセルとかパワーポイントは問題ないですか?」という質問を受けますよね?これ、誘導尋問というか、試験で言えば引っ掛け問題ですから注意をして下さい。

今の40代の転職希望者の中でITに弱い人は少ないかもしれませんが、この質問に対して、ニヤニヤしながら「オフィス位は大丈夫ですが」などと回答をしてしまっては大幅減点を食らってしまいますから注意をして下さい。

面接官は40代の社会人がオフィスが使えるかどうかなんて事に興味があるわけではありません。この質問は、その人のチャレンジスピリッツが40代になっても健在かどうかを試す為に設定されているものですから、「決まり切った質問だ」とばかりに軽んじない事が重要です。

「エクセルの関数を部下に教わって一個ずつ理解するようにしています」「凝ったパワポが作りたいので、実は週末に教室に通っています」など、前向きにトライアルをしている趣旨を強調するようにするのがポイントです。

極端な例ですが、ニヤニヤと「まあ、オフィス位は」と答えるよりも、ワードが使えなくても、「今、一生懸命ワードを覚えています」と答えた方が減点は少なくなります。加点よりも減点を減らすこういった答弁のテクニックを覚えて下さい。

「スキルポイントの小さな加算よりも、マイナス要素の減点の幅を小さくする」という、40代の転職時に必要なずる賢い計算感覚が転職必勝の秘訣です。

今の職を辞めたい理由にマイナス要素を込めてしまう

面接の時には、決まって転職の動機を聞かれる事になります。この質問を受けて、真面目で真っ直ぐな40代の転職希望者は、面接官が納得をしてくれるようなもっともな理由を並べようとして、ついついマイナスな、ネガティブな要素を織り交ぜたプレゼンをしてしまいがちになります。

30代までの面接では、少々ネガティブな要素を述べてしまっても大きな減点にはなりません。ですが、40代では質問の意図する所が変わってきますので、その事を理解して小ずるい対応をするようにしましょう。

面接官はあなたの転職動機などには何の興味もありません。面接官が興味があるのは圧迫面接に対する、あなたの回避能力、ただそれだけです。

不服かもしれませんが、国会答弁のように、当たり障りのない、絶対にネガティブ要素を含まない回答をするように心掛けてみて下さい。

圧迫面接でよくある想定質問と模範回答事例なども後ほど記事にしてご紹介をしていきたいと思っていますが、周囲の協力を仰いでも、この「国会答弁」の訓練はする事ができますので、転職を決意したならば早速協力者を捕まえて、散々意地悪な質問を日常的にしてもらうようにすると良い訓練になります。

企業側が40代の転職希望者に求めるのは、厄介なクレーム、取り扱いの難しい部下へのスムーズな対応能力です。生真面目に転職動機を並べてみても、減点ばかりをくらうだけなので、質問の真の狙いを見定めて、小ずるく老獪な対応を見せるようにして下さい。

話す内容に未来要素が少ない

40代の転職希望者が最も大幅減点をくらうのがこの部分です。過去の自分の経験から様々な「私を雇った場合の御社へのメリット」をプレゼンしようとするがあまり、どうしても過去の話が多くなってしまうのですが、ここが一番大きな減点につながるところなので、気をつけるようにして下さい。

面接官の質問に答える中で、過去の話を2したとするならば、未来の話を4の割合で埋め込むようにすると、過去の職歴や経験に固執してない印象で相手には聞こえるようになります。

自己PRで「過去には大手銀行のシステム改善に取り組み、そのプロジェクトリーダーとして多くの経験を積みました。具体的には・・・」となってしまいがちなところを、「?多くの経験を積みました。この経験を御社で活かすとするならば、例えば・・・」という風に話を持って行くようにすると、全然印象が変わってきます。

面接官は、あなたの過去には大した興味はなく、「でもって、ウチに来て何をしてくれるのよ?」という部分に興味があるだけですので、イライラさせないように夢を持ってもらう話を多めに展開するのがポイントです。

過去形の話が多い人は、新しい組織に入っても「前の会社ではこうだった」という話をし出して孤立してしまうケースが非常に多くなります。面接官はその可能性を探っているわけですから、相手の罠にはハマらないような老獪さを身につけるのがポイントです。

二人いる面接官のうちの一人は、あなたの回答の中の過去部分、未来部分の比率をカウントしている(つまり、話の内容は聞いていない)位に思っておくと、相手の罠にはハマらないようになります。相手はそれくらい意地悪だと思っておいて下さい。

この部分は40代の人が一番ハマりやすい罠ですので、改善と対策の為に、転職を決意した後は、練習だと思って、日記感覚で想定質問に対する回答を文字でタイプしてみると良いでしょう。最初のうちは、驚くほど「過去自慢大会」になっている事に驚かされますが、過去2:未来4を意識するようにすると、短期間で驚くほど補正ができるようになります。

40代の転職を成功させるために、面接官の罠を知り、老獪な対応を

いかがでしたでしょうか?面接官の質問の意図(狙い)と、ご自身の回答に関する意識にかなりの乖離があった事を実感頂けたのではないでしょうか?

まだまだ、面接官が大幅減点をかけるポイントは他にもあるのですが、これはまた別の機会に譲りたいと思います。
致命傷に至らないようにするには、上記ポイントを押さえておいて頂ければ充分ですので、まずはできるところから始めるようにして下さい。

要はプレゼンテクニックに近い要素になってきますので、この記事を読んで頂き、「相手の知ろうとしている事」がわかるようになれば、対応技術の訓練にはそれほど時間はかからないと思います。

私の場合でも、周囲の協力を仰ぎ、一か月も訓練をしたら、かなりのレベルの「トラップ回避術」を身に付けられるようになり、三顧の礼で今の会社に迎えられるような面接プレゼンを演じる事ができるようになっていましたので、心配はいりません。

ただし、「もっと具体的な面接官心理がわかった方が対策がしやすい」という方がいるかと思いますので、また別の機会に、「マネジメント能力の質疑」に特化した面接官との模範やり取り事例などもご紹介をしていきたいと思っています。

私が人材会社で学んだ様々なノウハウやテクニックが、真面目過ぎる40代の転職希望者の方の役に立てば本当に幸いだと考えています。42歳で転職を果たし、天職にありつけた私の備記録としてもこの記事を役立てたいと思っています。

相手の心理を理解して、老獪に小ずるく立ち居振る舞えば、40代であっても絶対に希望の職場に辿り着けるはずです。皆さんも頑張ってくださいね!

次の記事>>面接官がホントに知りたい2つのコト

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